ドSな君の、恋愛講座。
家の前でドキドキする胸を抑えながら大和を待つ。

なかなか来ない。

あのあと、まさかキスしたりしちゃって…

そのまま先輩の家に!?

どうしよう!

なんか本当にそうなってる気がしてきた…

「何やってんの、お前。」

後ろから聞こえてきた、なんだか懐かしく聞こえるその声。

振り返るとそこには会いたくて仕方なかった人。

「大和…」

「家の前で不審な行動とってると通報されるよ。」

ため息まじりにそう言うと、自分の家に入ろうとした。

私はとっさにその腕を掴んでいた。

掴んだ部分から熱を発したみたいに熱くなってくる。

「だから、何してんの?」

言うしかない!

今言わなきゃいつ言うの!?

「あ、あのっ!…さ、さっき公園で何してたの?」

なのに口から出たのはそんな言葉。

こんなこと聞きたいんじゃない。

いや、それは知りたいけど、私が言いたいのはこんなことじゃない。

あー!もう!
< 174 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop