ドSな君の、恋愛講座。
私ってバカ!

「何、お前気になるの?」

掴んでた腕を逆に掴まれて、いつのまにか私の背中は塀に押しつけられる。

目の前には私を見下ろす大和。

私は頷いた。

するとさらに大和はなぜか笑って、腰をかがめて、私に近づいた。

「もしかして、妬いてるとか?」

なんでいつもそんなに余裕なの?

大和はいつも一歩上手。

いっつも私ばっかり恥ずかしい思いをする。

「や、妬いてるよ!…だって、だってわたし、大和のことが好きだもん!」

怖くて顔を見れなくて、下を向いて目をぎゅっとつむったまま、ついに言ってしまった。

告白するのってこんなに緊張するんだ。

大和は今、どんな顔してるの?

怖くて見れないよ…

「俺のことが、好き?」

「そうだよ!意地悪で、わがままで、強引で自分勝手な大和が好きっ…」

私の言葉が途中で途切れたのは大和の胸に引き込まれたから。

目の前にある大和の胸はドキンドキン、私と同じ、ううん、それ以上に大きく鳴っている。
< 175 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop