ドSな君の、恋愛講座。
「やっと気づいた…遅いから。」

へ?

どういう意味?

遅いって、もう遅いってこと!?

やっぱり先輩ともう一回付き合うことになったから遅いってこと!?

恐る恐る顔を上げると、そこには少し頬を赤くした大和。

「俺も好きだよ、さく。」

その笑顔はいつもの意地悪なものでもなくて、ただ見てるだけで胸が締め付けられるような、大和のこと、好きだってもっともっと思うような。

「…練習?」

「バーカ、この状況で練習でこんなこと言わないから。…それに俺は練習なんかしたことなかったけど?」

それって本当に私のこと、好きだってこと?

私たち、本当に両思いになれたの?

目の前で起きていることが信じられなくて、夢なんじゃないかって思って。

「さく、もう一回言って。」

私は確かめるように言った。

「大和のことが、好き…!」

そう言うとぎゅっと抱きしめられた。

暖かくて安心するやまとの腕の中。
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