ドSな君の、恋愛講座。
30センチ近くある身長差が縮まって、大和の顔がすぐそばに。

また、キスされる!?

私は反射的に目をぎゅっとつむった。

…?

あ、れ?

恐る恐る目を開くと、そこには口の端を上げて笑う大和。

爽やかなスマイルとも、爆笑してる無邪気な笑顔とも違う、この顔は…

「あれー?もしかしてキスされるとでも思った?」

かあっと頬が熱くなる。

なにそれ!

まるで私が、キスを待ってたみたいな言い方!

全ッ然そんなことないのに、何故か何も言い返せない。

その代わりに目から涙が溢れてくる。

なんで、こんなことになっちゃったの?

斎藤君にフラレて、ぼろぼろなのに。

お願いだから、もうほうっておいてよ。

構わないでよ。

「…泣くなよ、さく。」

大和は少しバツの悪そうな顔をすると私の頬に伝う涙を拭う。

「…もうやだ…」

なんでこんなにうまくいかないんだろう。

私ってやっぱりつまんないのかな。
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