ドSな君の、恋愛講座。
だから斉藤君も私のこと、嫌いになっちゃったんだ。

「…言ったろ?俺が恋を教えてやる。絶対さくに似合う男、見つけてやるから。」

なんで大和がそんなこと言うの。

恋を、教えるって何?

「ほら、顔上げて?」

半ば強制的にぐいっと持ちあげられた顎。

大和の大きな目が私を見てる。

「…さく、目、閉じろよ。」

どうしてだろう。

嫌なのに、逆らえない。

昔からそう、大和には逆らえない。

瞳をそっと閉じると、耳元で大和が囁いた。

その少し低い、かすれた声に体が痺れる。

力が、入らない。

「…いい子。」

私は、悪魔に毒を飲まされた。

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