ドSな君の、恋愛講座。
その光景を見ながらお母さんはため息。

「桜子ってばかいちゃんに教わってどうするの。」

でもかいちゃん、教えるのうまいんだもん。

「お、もう八時だ。そろそろ帰るぞ、海音。」

大和が時計を見上げながら言う。

「まって!あとこの問題だけ!」

これさえ終われば今日の課題が終わるんだよ!

しかも明日はすみれが丘名物、外国の先生を招いての特別授業の上、私、当たるんだよ!

「さくちゃん、そう言ってるから…兄ちゃん先に帰ってていいよ。」

「…さく、部屋に行くぞ。ガキはかえって寝てろ、あとは俺が教えてやる。」

へ?

そう言われるやいなや、私の腕は大和にがっしりと掴まれていて。

「そう、じゃあね、さくちゃん。すみれさん、ごちそうさまでした。」

か、かいちゃーーーん!

私を見捨てないで!

そしてこの男と二人きりにしないで!

バタン

私の部屋に勝手に入ると、大和はこちらを振り返った。
< 26 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop