ドSな君の、恋愛講座。
のんびり、穏やかで争い事が嫌い。

だから昔から人が嫌がることを進んでやる。

誰にも知られず、それでもみんなが笑っててくれればいい、そんなふうに考える優しいさく。

夏休みのうさぎ小屋の掃除だってさくが毎日やっていた。

かなり天然で、鈍感。

だからさくは他の男からの視線に気が付かない。

そして俺の思いにも。

「にしても、何なのお前ら。うちの学校の女子だって結構可愛い子多いのに、二人してさ!」

洋貴が俺のとなりで数学のプリントをしているやつと俺を見比べながらため息をついた。

「俺はみいにしか興味ねえの。」

そう言い放つとまた視線をプリントに戻すこいつの名前は一ノ瀬真。

一年の時から同じクラスでよくつるむようになった。

俺達の共通点、それは片思い中、しかも幼なじみに。

「真も大和ももったいねえよな。はーあ、俺の立場にもなってほしいぜ。学年ツートップのモテ男に挟まれる心境をよ!」
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