ドSな君の、恋愛講座。
「はあ?絶対みいのがかわいいから!」

「はいはい、もういいから!」

洋貴が俺達の間に割って入る。

さくのこと、誰よりも好きな自信がある。

さくのこと、誰よりも知ってる。

なのに、さくは俺のものじゃない。

早く別れてしまえばいいのに、そんなひどいことを思った。

早く別れて、俺のものになれよ。

さくが嬉しそうに斉藤とのことを報告してくるたびにそう思ってた。

だから公園の滑り台の中で小さくなって泣きじゃくるさくを見たとき、不謹慎にもチャンスが来た、と思った。

斉藤にフラレて落ち込んでいるさく。

このままじゃきっとこいつは「もう恋なんてしない。」なんてどっかの歌詞に出てくるようなことを言い出しかねない。

だから俺は言ったんだ。

さくの近くにいるために、さくを俺のものにするために。

「俺が恋を教えてやる。」

その時さくは訳が分からない、というふうにぽかんとしていたけど。
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