ドSな君の、恋愛講座。
そして半ば強制的にさくを俺の彼女にした。

だけどこれは契約の関係。

さくに好きな奴ができて、そいつとさくが両思いになればこの関係は終わり。

それでもいい、それでもいいからさくのそばにいたかった。

俺のものにしたかった。

さくがファーストキスがまだだ、という話を聞いたとき、俺の体は勝手に動いていた。

さくの唇は柔らかくて、甘くて。

赤くて小さい、さくらんぼみたいなその唇に俺は頭がクラクラなった。

キスするとき、初めて見せたさくの顔。

目がうるんでて、今にも泣きそうで。

その表情にたまらなく欲情した。

もっともっと、欲しいって思った。

キスは初めてではなかった。

高一の時、さくに彼氏ができてさくを諦めよう、忘れようとした時に告白してきた先輩。

さくを忘れるために付き合った。

最低なことをした。

傷つけて、終わった。

だけどキスってこんなにも気持ちいいものだったんだ。
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