ドSな君の、恋愛講座。
なにそれ!

なんか怖いんですけど!


そのあと、結局みんなで回ったけどそれはそれですごく楽しかった。

考えてみれば大和以外の男の子と話すのなんてひさしぶり。

それに洋貴くんも梓くんも楽しくて。

二日目の自由行動もあっという間に終わり、そろそろホテルに戻る時間。

「そういや、今日、俺達ホテルも一緒なんだよな。」

「そうそう、今日のホテルは温泉あるんだよねー!楽しみ!」

お料理も美味しいって有名らしい。

早く行きたいなー!

「…なあ、さく。」

ホテルに戻るバスの一番後ろの席。

私の隣に座っていた大和が耳元に口をよせる。

「ちょっ…!」

みんなは前を向いて楽しそうにおしゃべりしてるからいいものの、こんな公共の場所で!

「今日の夜十時、非常階段の踊り場で待ってる。絶対来いよ。」

そう言って私から離れた大和の口の端は少し上がっていて。

何かいたずらを考えついた子供みたいな表情。
< 60 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop