ドSな君の、恋愛講座。
「だめだよ!だって見つかっちゃったら…」

「拒否権なし。」

なにそれ!なにそれ!

「いいもん見れるから、な?」

い、いいものって何!?

そういう言い方に弱いんだよね、私。

気になるんだもん、すごく。

私がそうなのを知ってて、わざと気になる言い方してくる大和。

意地悪だ!



「お、来たか。」

消灯の時間の一時間前、私はホテルの非常階段の踊り場にいた。

目の前には手すりにもたれかかる大和の姿。

「バレたらどうしよう…」

他校の男子と夜こっそり抜けだしてました、なんてことが先生に見つかったら、反省文、夜中ずっと廊下に正座どころか、帰ってから停学処分を食らう可能性もある。

「大丈夫だって。…ほら行くぞ。」

フーちゃんたちに夜、抜け出すことを正直に言うと反対するどころか、ニヤニヤしながら楽しんで来なさい!って言われちゃった。

フーちゃんと夕姫ちゃんも私と大和がラブラブカップルだと勘違いしてるからね。

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