ドSな君の、恋愛講座。
大和について行きながら、階段を上がる。

なんでこんなとこ、知ってるの?

大和も初めてきたんだよね?

「お前さ、着てるのそれだけ?」

大和は私の姿を一瞥する。

今来ているのは学校指定のジャージ。

だって、夜は基本学校指定のジャージを着るとこと、ってしおりに書いてあったんだもん!

「…これ、着とけ。風引くぞ。」

バサッとかけられたのは大和がさっきまで着ていたパーカー。

「北海道の夜なめてるとほんと、やばいから。」

確かに部屋の中にいる今でも少し肌寒い。

私は素直に大和のパーカーを羽織った。

かなり大きくて、袖なんか全部腕が隠れちゃう。

「こっち。」

大和はそう言うと階段のそばにあったドアを開けた。

「わあ…!すごい!」

そこに広がっていたのはまるで宝石をばらまいたみたいにきらきら光る夜景。

こんなに綺麗な景色、初めて見た!

「なんでこんなところ、知ってるの?」
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