ドSな君の、恋愛講座。
大和も北海道、初めてなはずだよね?

「…さくが、こういうの好きかなって思ったから。」

そう言ってそっぽを向く。

…もしかして、照れてるの?

「大和?」

わざと大和の顔を見ようとそっぽを向いた方に回りこむ。

「見んな!」

そう言うと大和は私を腕の中に引き込んだ。

「寒い。人間カイロ。」

確かに、大和の言ってたとおり北海道の夜は寒い。

大和は私にパーカーを貸してくれたから、着ているのは薄いTシャツ一枚だけ。

「もう戻ろう?大和、風邪引いちゃうよ。」

私が薄着してきたばっかりに、風邪引いちゃったら残りの旅行の間楽しめないもん。

「さくが温かいからいい。もうちょっとこのまま。」

そしてさらに大和の腕の力が強くなる。

「…そうだ、もう逃げられないように、これ。」

首元になにか冷たいものが触れる。

見るとそれは細い銀色のチェーンで。

「…かわいい!」
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