ドSな君の、恋愛講座。
それはネックレスだった。

細い銀色のチェーンのさきに薄いピンク色のガラスで出来た桜の花びらのモチーフが付いている。

「俺から離れないように、首輪。」

胸元でキラキラしてる、ネックレス。

「ありがとう…嬉しい。」

こんなの、素直に嬉しいよ。

だって初めてだもん、誰かにアクセサリーをプレゼントしてもらったの。

それに桜の花びらってことは、私の名前、考えてくれたってことだよね。

「外すなよ、首輪なんだから。」

なんだか本当に恋人同士みたい。

だけどその時思った。

私と大和は、本当に付き合っているわけじゃないんだ。

私に恋愛を教えてくれるために、大和は付き合ってるふりをしてるだけなんだ。

それなのに、こんなこと。

なんでなの?

なんだか大和の顔、見れない。

「お礼はさくからのキスな。」

突然そんなことを言い出す大和。

「そっ、そんなの無理!」

私、キスなんて自分からしたことないもん!
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