ドSな君の、恋愛講座。
「大丈夫、俺が教えた通りにやればいい。」

そう言うと大和は腰を屈めた。

そのせいでグッと近くなる顔。

夜景のネオンが大和の大きな瞳にうつりこんで、ゆらゆら揺れてる。

「俺が目とじたら、そのまま、キス。それだけだから。できるだろ?」

そして大和はその長いまつげを閉じた。

目の前には大和の綺麗な顔。

どうしよう、キスなんて…

これも契約のうちなんだよね。

そう考えるとなんだか少し胸がズキッとした。

大和の頬にそっと手を伸ばす。

そして顔を近づけた。

待って!これっていつ私は目を閉じるの!?

今から閉じたんじゃ早すぎて、口の位置が確認できないし、かと言って目を開けたままするなんて恥ずかしくて無理!

「…遅い。」

すると大和の手が伸びてきて、あっという間に唇を塞がれていた。

さっきまで冷えていた体がキスのせいでどんどん熱くなっていく。

何度も角度を変えながら重なりあう唇。
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