ドSな君の、恋愛講座。
そう言うと風見は廊下の向こうに走って行ってしまった。

そういえば考えたこともなかった。

今まで自慢じゃないけど何度もされてきた告白。

それを受け入れたことはたったの一回だけだ。

しかもそれだって三ヶ月ほどしか持たなくて、やっぱり俺にはさくしかだめで。

だけど俺にだって可能性はあるんだ。

なんとかそうならないように、強引にしてるけど。

もしさくに本気でまた、好きな奴ができたら。

さくが恋をしてしまったら。

俺は振られる。

「大和、好き。」

無理やり言わせたその言葉に、俺は答えた。

「俺も、さくが好きだよ。」

俺の言葉は嘘じゃない。

本気なんだ。

気づけよ、本気だって。

俺が何年お前の事、好きだと思ってんの?

どうして俺のほうを見てくれないの?

こんなに思ってたって、さくの中には入り込めない。

だったら、俺が無理やりこじ開けてやる。

さくの中に、俺をどんどん染みつけていく。
< 73 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop