ドSな君の、恋愛講座。

どうしたのかな？

やっぱり、浴衣変？

「大和？」

「やっぱ行きたくねえ…」

へ？

「なんで？」

すると大和は私の耳元に口をよせた。

「さく、かわいすぎ。」

…っ！

そのどストレートすぎる言葉に、心臓が跳ね上がる。

いつもみたいに憎まれ口叩いてくれたほうがまだ平常心で返せるのに。

そんなふうに照れた顔して可愛い、なんて言われたら、何も言えなくなっちゃうよ。

「ほら、みんな待ってるよ！行こう！」

二人の間に流れる照れくさい空気をかき消すように私は言った。


「さく！久しぶり！」

集合場所である神社にはすでにみんな来ていた。

フーちゃんも夕姫ちゃんもミラちゃんも浴衣を着ていて、すごくかわいい。

「やっぱりお祭りはいいねえ。みんなかわいい！」

梓くんが言うと、横から大和と一ノ瀬くんが梓くんの頭を叩いた。

「「見んな！」」

そのハモリっぷりに思わず笑ってしまう。