Successful Failure -短編集-
こうして、心を落ち着かせて帰宅する。
20歳を超えるまでは煙草と無縁だった。
それは、決して法に縛られているからではなく、
ただ、単純に嫌いだった。
煙を吸って寿命を縮めるのに400円も払うなんて
馬鹿らしいと思っていた。
でも、21歳になってからは、これが欠かせなくなった。
カメラマンが常にカメラを持っているように、
助監督が常に養生テープを持っているように、
私のバッグには常に煙草を4箱は常備している。
1日に大体、2箱吸うか吸わないかの本数だから、
これぐらい当たり前だと思う。