Successful Failure -短編集-
帰宅して、テレビをつける。
時刻はもうすっかりてっぺんを回っていた。
いつもそう。
今、インターンシップで映画制作会社へ行っているため、撮影が長引くと始電で帰ることも少なくない。
明日も朝6時には起きないといけない。
こんな生活、普通は苦になるところだけど、
私には夢があった。
それは、映画の照明技師になること。
中学の時に初デートで見に行った映画館。
そこで見た映画のライティングがすごくきれいで、
黄色が嫌いな私でも思わず見とれてしまうほどだった。
当時の彼は、私と映画館でキスをしたかったみたいで、
結局、別れることになったけど。
それ以来、私は映画にすっかりのめりこみ、
いつか自分の手であんなライティングをしたいと思うようになった。
その夢がやっとはじまろうとしているのだから
苦になるどころか、むしろ毎日が楽しい。
おっと、もう1:30か。
私は、煙草を2本吸って眠りについた。