Successful Failure -短編集-
「あ、そろそろ私、行かなきゃ」
優子が煙草の火を消す。
気が付けばもう3時間もここで話していた。
「何か用事?」
「うん。これから合コン。あ!あんたも来る?」
「行かない」
「言うと思った。でも、合コンでもしないと彼氏できないよー?あんた、まだ彼氏できたことないんでしょ?」
一応、中学の時にいたけど、めんどくさいから言わないでおく。
「じゃ、またねー」
優子の声と煙を吐くタイミングがかぶってしまい、
私が「うん」と言った時にはもう優子は喫煙所の扉を閉めていた。
私もあと一本吸ったら帰ろう。
煙草の箱に手をかける。
煙草は一本もなかった。
そういえば、これ、最後の一本だったんだ。