Successful Failure -短編集-
私は、小学生の集団とすれ違いざまに
足を小学生の一人にわざとぶつけてやる。
「あ!」
小学生がよろめき倒れ、私の方を見る。
「ったいわね!!」
おおげさに、周りにも聞こえるような声で言う。
びっくりしたのかぶつかった小学生は倒れたままだった。
そんなことはお構いなしに、私は目の前に落ちていた帽子を
思いっきり踏みつけた。
背中で小学生の「うざっ!」って声と
周りにいた買い物帰りのおばさんの「まあ・・・」って声が
はっきり聞こえたが、そんなことはどうでもいい。
どうせ、もう会うこともないだろう。
煙草を切らしてイライラしているところに黄色い帽子だ。
ますますイライラする。
さっさと銀行でお金を降ろして、コンビニへ行こう。