Successful Failure -短編集-

Gの乗った世界で





警察に紛失届を書き終えた時にはもう22:00を回っていた。




通帳も実家の母に仕送りを送ってもらうために
預けていて、ない。




母から通帳は郵送してもらうにしても、
それまでの間、無一文で生活しなければならない。




しかし、私にとっては、お金がないことよりも煙草がないことの方がよっぽど大問題だった。




こうして考えている間も煙草のことばかりを考えている。




家へと歩く道、目の前に広がるものすべてが黄色に見えた。




人も、車も、空の色でさえも。




とりあえず、お金を借りよう。




近くに優子の家がある。




頼れる人は、優子しかいない。




ただ、合コンをしてるんだっけ。




帰っているだろうか、優子。




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