Successful Failure -短編集-
「だから、お金持ってないんだってば!あんたまだ酔ってんの!?」
「あんたの方こそ酔ってんじゃないのー?お金借りる前に、まず私が貸した2000円、返してよね」
「だから、財布を・・・」
「じゃ、知らなーい。おやすみー」
優子が扉を閉めようとする。
「ちょ、ちょっと!」
私は扉に足を挟んで扉を閉めさせないようにした。
「薄情じゃない!?友達が困ってんのに!」
「友達ー?」
優子が呆れたような顔をする。
「友達なら、借りたお金ぐらい返すと思うけどねー」
「だから、財布が・・・」
「とにかく、返すまで貸さないから」
私の中で、何かが切れる音がした。