Successful Failure -短編集-




実際、そんなに見た目も可愛くなかった。



「嘘つけ!ばーか」



しゃべり方も嫌いだった。



「嘘つけ!ばーか」



大好きだって言ってた、あの曲も、ブランドも、食べ物も、耳かきの種類だって大嫌いだった。



「嘘つけ!ばーか」



この調子で、何度試してもみて、まるで、僕の中にもう一人の誰かがいるみたいに、僕につっこんでくるのだ。



この声の主を僕は、許すわけにはいかない。




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