Successful Failure -短編集-
愛しき
僕達は、観覧車から降りて、動かないメリーゴーランドに座った。
「ねえ、なんでここに来たの?」
「つまらない理由だよ」
「つまらない理由?」
「そう。つまらない理由」
「千鶴子さんのことは好き?」
「好きだった」
「だった?」
「今は、好きじゃない」
「どういうところが好きだったの?」
「んー、一緒に居て楽でいれるところかな」
「じゃあ、今、ボクといて楽じゃないの?」
「楽____かな」
「じゃあ、ボクのことも好き?」