Successful Failure -短編集-
憾み
この世に生まれたことを、こんなちっぽけな才能で生まれたことを一生憾んでやる。
もし、何かしら秀でた才能を持って生まれたとしたら、僕は、こんな思いをしないで済んだのに。
何もない。
誇れるものは何もない。
この世で生きた証を、その証で人をどうこうできる可能性もない。
そんな希望もない僕が、ある日、突然、恋をした。
姿無き、偶像に、
僕は、恋をした。
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