Successful Failure -短編集-
すると、女の子は、小さくコクっと頷くことなく、黙って僕の隣にちょこんと座った。
座ったまま、じっと前だけ見ている。
整った横顔は、どこか寂しそうな表情をしていた。
そして、ふと、僕の方をチラッと見た。
目が合う。
合ったかと思えば、すぐ反らし、ポッケに手を入れ、何かを取り出した。
緑色の袋だった。
その袋を開け、女の子は、黒いものを取り出し、口に含んだ。
そして、もう一つ取り出し、僕にそっと差し出した。
「何?これ」
すると、女の子は僕の目を見ながら言った。
「とろリズム」