Successful Failure -短編集-
「ああ。そうだぜ?」
腑に落ちない。
「なんで俺がノートを取りに来ると思ったんだ?返すつもりなら家に届けに来ればいいし、俺が取りに来ない可能性だってあるだろ?」
すると、太田はニヤリと笑い、言った。
「いいや。絶対取りに来ると思ったね。今日のテストの出来を見る限りじゃね」
テストの出来・・・だと?
「何言ってるんだ?悪いが俺は、テストは常に学年トップだ。そんなノートなくてもしっかり頭に入っている」
そう言って俺は、教室を出ようとした、その時。
「でも、モッパラは書けなかった」
太田がそう言ったのだ。