Successful Failure -短編集-
俺は、席を立った。
「悪いが無理だ」
「だったら、カンニングのことばらす」
こいつ、悪魔の息子かよ。
「お前がこの相談会をバラすなら俺はお前のカンニングをばらす!」
相談会の方の「バラす」は、業界用語のことを言っているらしい。
あの太田がこれほどわかりにくいボケをかますぐらいだ。
よっぽど吉良のことが好きなのだろう。
まあ、もっとも、俺はこいつのギャグで笑ったことはないが・・・
「わかったよ。とりあえず、メールから始めてみる。それで、そうだな・・・3回くらい吉良と遊びに行けば仲良くなったとみなしていいか?」
「回数は関係ない。とにかく、傍から見てて俺が仲良くなったって感じた時までだ!」
はいはい。