Successful Failure -短編集-
冤罪で刑務所にいたとはいえ、生まれてこの方、人の道に外れるような行いはしていない。
そんな私が、コンビニを襲う?
「はい、わかりました」と言えるわけがない。
ただ・・・
頭によぎったのは、コンビニ強盗がばれたら、再び刑務所へ戻れるということだった。
それを単独で起こすには、歳が行き過ぎている。
ただ、加担ということであれば、私でもできる。
「車の免許はお持ちですよね?」
「一応、タクシーの運転手をしている」
「それはいい」
Kは、愉快そうに笑った。