Successful Failure -短編集-
高田という男と同僚は、知り合いではなかった。
なぜ高田なのかというのはわからなかった。
不安だった。
俺は、高田のタクシー会社を同僚から聞き出し、その会社の真向いにあるホームセンターでアルバイトをすることにした。
日曜大工でも趣味なら、このホームセンターに高田は買い物に来ると踏んだのだ。
そして、バイトを始めてから3日で高田は、現れた。
同じタクシー会社で高田と名札に書いてある。
俺は、高田に接触するため、レジの列に並んでいる高田の対応をするため、タイミングを見計らい、休止中のレジを開け、勧めた。
高田は、日曜大工が趣味ではないようだ。
そう思ったのは、買っている品々だった。
ロープに七輪に炭、着火剤、マッチ、カッター・・・
自殺をするような道具だと思った。
本来ならそれだけで確証はないのだが、俺がずっと考えていたこと。
なぜ、同僚が高田を推薦したのか。
もしかすると、同僚は、高田のタクシーに偶然乗った際、高田が自殺をしたがっていることを知ったのではないかと考えた。
カマをかけてみることにした。