Successful Failure -短編集-
墓石を掃除する。
さっき100均で買ってきたブラシで。
水をかけてやる。
どうだ?
まだ寒いだろ?
ざまーみろ。
すぐ死ぬからこうなるんだ。
けど、こうやって馬鹿にするとお前、すぐ泣くもんな。
わかったよ。
ほら、花挿してやるよ。
大丈夫。
これは、100均じゃねーから。
そして、手を合わせる。
墓石の横に書かれた真帆の文字。
享年15歳。
まさか、誕生日の前日に死ぬとはな。