Successful Failure -短編集-
その日は、真帆と一緒に図書館で勉強するつもりだった。
オレがまだ煙草を吸い始める前のことだ。
「いい?ガストの前のコインパーキングに2時に集合だからね?」
「なんでコインパーキングなんだよ。ガストでいいじゃん」
「嫌よ!ガストで待ち合わせなんかしてたら、それこそ恋人に間違えられるじゃん!」
いやいや、一緒に勉強するってだけで十分、恋人に間違えられそうだけどな。
まあ、いいや。
「わーったよ。行けばいいんだろ?」
「よし。いい?遅れるなよー!」
「お前もな!」
このやりとりが真帆との最後だった。