Successful Failure -短編集-
実際、喧嘩に自信はなかった。
ただ、喧嘩は意思でするものだと、なんかの小説で読んだことがある。
その通り、殴られても殴り返す。
これをずっと続けてきただけだ。
まあ、そこらへんのヤンキーには、それでも通用したが、この優馬はモノホンだ。
幾多の強者共が夢の跡だ。
力では確実に負ける。
下手をすれば死ぬ。
うん、死ぬ。
死なないためには、ルールを提示すればいい。
「やってやる。ただし、これで勝負だ」
そう言って、オレは転がっている土管を指差した。