Successful Failure -短編集-
「土管?」
優馬が聞き返すのも当然だろう。
土管を指差して、これで勝負だなんていわれてもだよなー
まあ、策はある。
「そう。こいつを持ち上げて相手に投げつける。それだけで勝負しようぜってことだよ」
優馬は、やっと察したらしく、しかし、顔は強ばったままだった。
ここで、更に追い討ちをかける。
「あの狂犬の優馬様ならできるよな?もちろん」
優馬は、ムッとした表情で、丸刈りの静止を振り切り、土管に手をかけた。
やれやれ、馬鹿で本当によかった。