Successful Failure -短編集-
やがて、山縣さんは、シャッターを切った。
カッシャッ!
いつもより鈍い音。
「やっぱり、カメラ、壊れてるの?」
「うん?」
「なんか、音が遅いなって思って・・・」
「ああ、これね。これは、シャッターのスピードを遅くしてるからなんだよ」
「シャッターのスピード?よくわかんない」
「まあ、説明するのも難しいんだよ」
そんな会話をしているうちに、再び、カッシャッ!という音が聞こえた。
「ほら、撮れた。見てみな?」
私は、山縣さんにカメラを渡され、液晶モニターを見た。