Successful Failure -短編集-
優馬を振り切り、バイクに跨って、エンジンかけた。
「…あとで返すから」
そう言って、走り出したのはいいものの、このバイクを返せるかなんてわからない。
多分、いや、十中八九死ぬだろう。
それでも、何もしないよりはずっとマシだった。
真帆。
オレは、真帆のことが好きだった。
その好きな女のために死ねるんだ。
これほどかっこいい死に様、他にあるだろうか。