Successful Failure -短編集-




「そろそろお腹空かない?私、お弁当作ってきたんだ」



私たちはベンチに座ってお弁当を広げた。



「うわー!すげー!美味そうじゃん!これ、美鈴が作ったの?」



「そうだよー。私、朝は、自分でお弁当作ってるから。まあ、今日は時間無くて、あんまり作れなかったけど・・・」



「そっかー。それじゃ、一口」



山縣さんは、卵焼きを一つ口に入れた。



「うん!美味いよ美鈴!お前さ、結構料理の才能あるかもな!」



「え?本当!?まあ、正直言うと、私、卵焼きが得意料理なんだー」



「味付けも俺好みだし、好きだよ、この味」



「そう言ってもらえて良かった。実はね、隠し味があるんだよ?」



「へえー、何?」



ここで私は「愛情だよ」と言いたかったけれど、恥ずかしかったから、「秘密」と言っておいた。




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