Successful Failure -短編集-
そのプロポーズを受けた時、私は、山縣さんのことを突き放した。
「美鈴・・・?」
「山縣さんって、ほんと勝手だよね」
「え?」
「だって、山縣さん、勝手に好きになって、告白して、それで上京しちゃうのに結婚してくれって・・・勝手すぎるよ、山縣さん・・・」
「ごめん・・・でも・・・」
「でも、私、山縣さんに振り回されまくりの私だけど、それでもなんか嬉しくって、巻き込まれてもなんか、その・・・だから・・・」
私は、山縣さんに向き直り、言った。
「私、山縣さんのこと、好き。だから、えっと・・・」
私は、山縣さんに抱き付き、
「待ってるからね」
そう言った。
その後、私は初めてのキスを経験した。