Successful Failure -短編集-




そして、池袋行きの電車に乗る。



この時、俺は、2列目の車両に乗るようにしている。
こだわりも決まりもないが、なんとなくそうしている。
習慣になっている。



そして、電車を待っていると、いつものように俺の後ろに一人の女性が並ぶ。



いつも同じ時間の電車に乗っているから、おそらくその女性もほぼ毎日、同じ時間の電車に乗っている。



その女性は、長い黒髪の、メトロのCMに出ている堀北真希を思わせるほどの美人だった。
大学2年生の俺より、おそらく4つか5つくらい年上だと思う。
かわいい系というより、きれい系だ。



もしかすると、俺は、その女性に会うためにこの車両に乗っているのかもしれない。



決して楽しいことばかりのバイトではないが、毎日休まずに出勤できるのも、この女性のおかげなのかもしれない。



< 63 / 516 >

この作品をシェア

pagetop