Successful Failure -短編集-
「そういえば、木下くんって彼女いるんだっけ?」
俺は、レジに5円玉の数を打ち込んでいるところだった。
「忘れたんですか?」
「いやさー、どうだったかなーって」
戸田さんは、俺の隣のレジで俺と同じようにお金を計算している。
「いないですっていつも言ってるじゃないですか・・・」
「え?じゃあ、私と付き合って?」
「はあ?何言ってるんですか?頭おかしいんですか?ぶっ飛ばしますよ?」
こんな調子で、戸田さんからは猛烈な告白を受けている。
100行かないくらいの回数ではあるが、それでも充分多い。
そして、俺は、それに対して拒み続けている。