Successful Failure -短編集-
そんな戸田さんがなぜ俺のことを好きなのか。
わからない。
「もうすぐクリスマスだねー」
「まだ二ヶ月ありますけどねー」
「予定とかあるの?」
「やることはないですよ。独りなんで」
「じゃあさ、パーっと飲みに行かない?」
「山下さんもいるならいいですよ?」
「いやでも、ほら、山下さん、彼女と過ごすでしょ?どうせ」
山下さんには彼女がいる。
お世辞にも可愛いとは言えないが、かれこれ2年も付き合っているらしく、飲みに行ったりなんかすると、ノロケ話に付き合わされる。
「じゃあ、僕に何もしないって誓うならいいですよ?」
「・・・うーん」
「・・・やることいっぱいありますわ」
ほんと、戸田さんには参っている。