Successful Failure -短編集-
ちょうどいいタイミングで電車は、木場駅に着いた。
すると、女性は、俺の腕を引っ張り、電車から出た。
「あ!」
俺は、咄嗟にそう呟いたそのとき、電車の扉はプシューっと締まり、行ってしまった。
俺は、女性の方を見た。
女性は、まだ笑っていた。
俺は、つい、カッとなった。
「何が面白いんですか!?ってか、電車、行っちゃったじゃないですか!」
すると、女性は、改札の方へ歩き出し、振り返って言った。
「寄り道、して行かない?」