Successful Failure -短編集-
俺は、コンビニまで走った。
というのも、あんな暗い公園にあの女性を一人にしておけなかったからだ。
コンビニに着き、俺はスタバで見た細長い箱に入った煙草が置いてある番号を言った。
店員がピッと打ち込み、一言。
「すみません。年齢確認できるものはありますか?」
俺は、財布を漁った。
が、そんなものはない。
車の免許もない。
学生ではないので、学生証もない。
保険証は家に帰ればあるが、普段は持ち歩いていない。
20歳なのに、年齢確認をされ、それを証明できないのは悔しかった。
悔しかったが、しょうがない。
俺もバイトしているときは、同じことをする。
彼女とラブラブな山下さんも、あのガサツな戸田さんもだ。
この店員は正しい。