ジサツストッパー〜これから自殺する人へ会いに行く〜

「君のおかげで、生きる勇気がわいたよ。ありがとぅ。さとしの分まで、しっかりと、生きることにする」



さとしの分まで?




「ちがうよ!オッサン!さとしは関係ない。オッサンはオッサンの『命』を大切にすればいい。こうしたほうが楽だろ?もう、苦しまなくていいよ」




「うん、うん、うん」
瞼をとじて、何度も頷く。




「俺、そろそろ帰るから」



「あっ!まってくれ!命の恩人の名前を聞いてなかった。名前は?」




「いいよ。名前なんて。絶対、名乗んないから」
後で何かと面倒だ。




「そうか。じゃぁ君に、これを渡そう」



「えっ!ちょうちん?」



「わたしの名刺だ」
ちっ!名刺かよ。いらねー。ちょうちん欲しい。
「今度は、わたしが君を助ける番だ。何か困った事があったら、ここに来なさい。電話してもいいから、待っているよ」

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