うそつき王子の秘密のキス
「二階堂君達が……いじめ……追いかけ……怖……げほげほげほ」


「あ~~だから、井上君は無理して喋らんでもよろしい!」


「おっ! 二階堂! お前達土足で校舎を走り回やがって!
 今、靴履いて校舎走り回ったヤツ! 全員!
 自分で汚した所を拭き掃除! それから事情徴収するからな!!」


「「ええ~~!!」」


 おお、狙った通りに盛り上がってるな~~


 外ではぬかるみばかり選んで逃げ回ってたし。昇降口で靴を脱がなかった二階堂達の足跡は、学校のあちこちについてるのさ。


 掃除、大変かもしれねえけど、頑張れよ~~


 あははは~~


 オレは心の中だけでげらげら笑うと、神妙な顔をして、泉川さんの手を取って、オレを支えるセンセーの顔をじっと見た。


「ああ、泉川も行ってよし!
 お前も井上と追いかけられてたし。
 特に土足で校舎を走ったワケじゃないからな」






 
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