うそつき王子の秘密のキス
「……くん。
…………カナタくん!
井上 奏太(いのうえ かなた)くん!
ごめんね~~待ち疲れて、寝ちゃってた?」
聞きなれた声に、はっ、と気がつけば……ここは……
いつも来ている美容室の『Z(ツェット)』じゃないか!
どうやらオレは、髪を切りに来て、すぐに案内された鏡の前でうとうとしてたらしい。
それで、ライブハウスでの公演の夢を……見てたみたいだ。
うぁ~~内容、あんまり覚えてないけど良い夢じゃ無かったような気がする。
現実ではバンド仲間が、オレを置いてどっかに行っちまうことは無く。
使えねぇオレを、引き止めてくれたのに!
オレが勝手に君去津高を出て行ったのに!
そう、一人でじたばたしていたら『Z』のオーナー美容師の岸(きし)さんが心配そうにオレの顔を覗き混んでいるのが見えた。
「ごめんねぇ~本当は、待合室でお茶でも出せれば良かったんだけど。
ほら『Z』じゃ、奏太君ちょっと有名すぎるでしょう?
一般人と一緒に出来なくてね。
なんせ、つい最近まで日本で一番売れてるファッション雑誌『AN^NA』のモデル『KANATA(かなた)』だったし。
地元バンドCards soldierで、スペード・エースっていう名前で、ヴォーカルもやってたじゃない。
なのに、どっちも急にやめちゃったから、みんな、興味深々なのよねぇ」
…………カナタくん!
井上 奏太(いのうえ かなた)くん!
ごめんね~~待ち疲れて、寝ちゃってた?」
聞きなれた声に、はっ、と気がつけば……ここは……
いつも来ている美容室の『Z(ツェット)』じゃないか!
どうやらオレは、髪を切りに来て、すぐに案内された鏡の前でうとうとしてたらしい。
それで、ライブハウスでの公演の夢を……見てたみたいだ。
うぁ~~内容、あんまり覚えてないけど良い夢じゃ無かったような気がする。
現実ではバンド仲間が、オレを置いてどっかに行っちまうことは無く。
使えねぇオレを、引き止めてくれたのに!
オレが勝手に君去津高を出て行ったのに!
そう、一人でじたばたしていたら『Z』のオーナー美容師の岸(きし)さんが心配そうにオレの顔を覗き混んでいるのが見えた。
「ごめんねぇ~本当は、待合室でお茶でも出せれば良かったんだけど。
ほら『Z』じゃ、奏太君ちょっと有名すぎるでしょう?
一般人と一緒に出来なくてね。
なんせ、つい最近まで日本で一番売れてるファッション雑誌『AN^NA』のモデル『KANATA(かなた)』だったし。
地元バンドCards soldierで、スペード・エースっていう名前で、ヴォーカルもやってたじゃない。
なのに、どっちも急にやめちゃったから、みんな、興味深々なのよねぇ」