Fun days
バスケットボール
バスケ?
いつもの火曜日、美桜は村田を起こしにいく。
村田の家に入ると、むわっとした空気に出迎えられる。
坂を上って汗をかいたのに、
さらに追い討ちをかけられている気分になる。
来週から夏休みで助かった、と心から思う美桜だった。
寝室に入る前に、居間の窓を開けておく。
さわやかな朝の風が、少しだけ入る。
さて、と気合いを入れて、美桜は寝室を開けた。
「村田、朝だよ~」
暑くて眠れないのか、クーラーがついている。
贅沢者め、と思いながら、
クーラーを消して、ベランダの窓を開ける。
居間の窓からの風が通って、気持ちいい。
「おーきーてー」
言いながら、村田を揺り起こす。
「うーん…もうちょっと…」
枕で顔を隠して寝ようとする村田。
いっそのこと、窓を締め切って暑くしたほうが、
起きるのかな?と美桜は思いつくが、
脱水になるまで寝てそうだ、と思いなおす。
…それにしても、この家は
風が通って気持ちがいい。
窓際で、うっとりと朝の風に吹かれる美桜。
このまま風に吹かれて、飛んで行きたいな…
村田を放置して。
…でも今日の英語に出ないと、
夏休みの宿題がわからないからなあ。
振り返ると枕に顔をうずめて、村田はまだ寝ている。
…腹が立ってきた。
「村田、いい加減にして」
冷め切った美桜の声に、
はっと目を開け、起きる村田。
「すみませんでした…」
寝ぼけ眼で謝りながら、シャワーへ向かう。
まあいいか、来週は夏休みだし。
窓際でまた風に吹かれながら、
機嫌を直す美桜だった。
「今日は体育の授業の日だっけ?」
学校へ向かう村田の荷物を見て
美桜が聞いた。
「ううん。今日は友達とバスケやるんだ」
村田がにこやかに言う。
バスケ…?
…そして友達?
一緒にバスケする友達なんていたんだ…
初めて聞いた。
驚いている美桜に気づいて村田は
「鈴ちゃんと立ち話してたら
通りがかった経営学部のやつを
紹介してくれたんだ。」
確かに、鈴ちゃんは意外と顔が広い。
「それでそいつが
バスケサークルやってて、誘われた」
ふーん。
…初耳なことばかり。
なんかショック…
ってなんでショックなんだろ、私。
顔が曇っている美桜に気づいた村田は
「あ、あのさ、良かったら見に来てよ。
みんないいやつだし…」
みんないいやつ、かあ。
村田にいい友達ができてよかった。
頭ではそう思うのに、胸に何かがひっかかる。
何だろ、これ?
なんか変な感じ。
「…それで写真でも撮れば?
バスケやってるとことか。
あ、体育館の中も普段撮れないでしょ?」
一生懸命、美桜のご機嫌を伺う村田。
美桜は思わず笑ってしまう。
私がこわばった顔をしているせいで
村田にたくさん気を使わせてる。
ごめんね。
「うん。見に行くね。」
謝るかわりに、笑って美桜は答えた。
確かに、体育館の中も
いい画が撮れそうだし、楽しみになってきた。
「じゃあ友達に言っておく」
美桜がやっと笑ってくれて
安心する村田だった。
村田の家に入ると、むわっとした空気に出迎えられる。
坂を上って汗をかいたのに、
さらに追い討ちをかけられている気分になる。
来週から夏休みで助かった、と心から思う美桜だった。
寝室に入る前に、居間の窓を開けておく。
さわやかな朝の風が、少しだけ入る。
さて、と気合いを入れて、美桜は寝室を開けた。
「村田、朝だよ~」
暑くて眠れないのか、クーラーがついている。
贅沢者め、と思いながら、
クーラーを消して、ベランダの窓を開ける。
居間の窓からの風が通って、気持ちいい。
「おーきーてー」
言いながら、村田を揺り起こす。
「うーん…もうちょっと…」
枕で顔を隠して寝ようとする村田。
いっそのこと、窓を締め切って暑くしたほうが、
起きるのかな?と美桜は思いつくが、
脱水になるまで寝てそうだ、と思いなおす。
…それにしても、この家は
風が通って気持ちがいい。
窓際で、うっとりと朝の風に吹かれる美桜。
このまま風に吹かれて、飛んで行きたいな…
村田を放置して。
…でも今日の英語に出ないと、
夏休みの宿題がわからないからなあ。
振り返ると枕に顔をうずめて、村田はまだ寝ている。
…腹が立ってきた。
「村田、いい加減にして」
冷め切った美桜の声に、
はっと目を開け、起きる村田。
「すみませんでした…」
寝ぼけ眼で謝りながら、シャワーへ向かう。
まあいいか、来週は夏休みだし。
窓際でまた風に吹かれながら、
機嫌を直す美桜だった。
「今日は体育の授業の日だっけ?」
学校へ向かう村田の荷物を見て
美桜が聞いた。
「ううん。今日は友達とバスケやるんだ」
村田がにこやかに言う。
バスケ…?
…そして友達?
一緒にバスケする友達なんていたんだ…
初めて聞いた。
驚いている美桜に気づいて村田は
「鈴ちゃんと立ち話してたら
通りがかった経営学部のやつを
紹介してくれたんだ。」
確かに、鈴ちゃんは意外と顔が広い。
「それでそいつが
バスケサークルやってて、誘われた」
ふーん。
…初耳なことばかり。
なんかショック…
ってなんでショックなんだろ、私。
顔が曇っている美桜に気づいた村田は
「あ、あのさ、良かったら見に来てよ。
みんないいやつだし…」
みんないいやつ、かあ。
村田にいい友達ができてよかった。
頭ではそう思うのに、胸に何かがひっかかる。
何だろ、これ?
なんか変な感じ。
「…それで写真でも撮れば?
バスケやってるとことか。
あ、体育館の中も普段撮れないでしょ?」
一生懸命、美桜のご機嫌を伺う村田。
美桜は思わず笑ってしまう。
私がこわばった顔をしているせいで
村田にたくさん気を使わせてる。
ごめんね。
「うん。見に行くね。」
謝るかわりに、笑って美桜は答えた。
確かに、体育館の中も
いい画が撮れそうだし、楽しみになってきた。
「じゃあ友達に言っておく」
美桜がやっと笑ってくれて
安心する村田だった。