Fun days
移動
結局、最後の集合写真でしか使わなかったな、
と思いながら、三脚を部室に運ぶ美桜。
吉岡はまだ帰っていなかった。
彼女とラブラブしてるのかな、と思いながら、
鍵を開けて部室に入る。
…ああ、私もラブラブな彼女だったんだ、と思い出して
少し疲れた気分になってしまう。
でも、彼女っぽいこと、結構したよね。
あとは普通にしてても大丈夫だろう、と
勝手に決めて、部室をあとに体育館へ戻った。
「ごめんね、手伝えなくて」
体育館の入り口で村田が言う。
シャワーを浴びたせいか、心なしか爽やかに見える。
「大丈夫だよ。もう片付け、いいの?」
荷物を全部持った村田を見て、美桜が言った。
「うん。大体終わったから、先に居酒屋行こう。
カメラは持っていくよ」
「ありがとう」
美桜は頷いて、自分の鞄を受け取る。
「美桜、疲れなかった?」
歩きながら村田は話し始める。
「少し疲れたけど、大丈夫。すごく楽しかった」
「そっか。良かった」
「村田は大丈夫?最後の試合、疲れてたけど」
「大丈夫だよ。もう回復した」
美桜のおかげで。
思い出して、にやけそうになる村田。
「写真どうしようかな。
スマホで見られるようにすればいいか。
どの写真をのせよう…
村田一緒に選んでくれる?」
「うん。明日やる?」
「そうだね。はやく見たいよね、みんな。
村田のパソコン借りていい?」
「いいよ。じゃ、明日うちで」
よし、明日も美桜に会える。
そうだ、花火の話もしよう。
「あ…、前の人たち、他校の人だよね」
前を歩くカップルを見て、美桜が言う。
「そうだね。多分、副キャプテンだと思う」
あの人のドリブル、すごく早かった。
そう思いながら見ていると、
二人が手をつないでいることに気づいた。
自分がつないでいるわけじゃないのに、どきどきする村田。
…いいなあ。
俺もつなぎたいなあ。
今、彼女のふりしてくれてるんだから、
美桜と手をつないでても、おかしくないんだよな。
さっき、手を握られたし、ハグもしたし、
…つないでみようかな。
村田は美桜の手をちらっと見る。
「打ち上げでも
彼女のふりしたほうがいいんだよね…」
美桜がつぶやいた。
ちょっと疲れた顔をしている。
「はい。すみません…」
よかった、手をつながないでおいて。
きっと思いっきり、振り払われたに違いない…
彼女のふりをしてくれるだけで満足しないとな。
打ち上げをする居酒屋の前で待っていると、
健吾たちがやってきた。
「村田と美桜は未成年だよな。
酒は一杯までな」
二人の顔を見るなり、言う。
「健吾、意外としっかりしてるんだ。」
感心する美桜。
「おう。親父にうるさく言われてる。問題起こすなって」
「健吾の親父、議員なんだよ」
佐々木が言う。
「えー…ものすごく意外」
「俺と付き合うと、金で苦労することはないぞ」
ドヤ顔で言う健吾。
「あー。見なおして損した」
美桜が笑いながら言う。
気づくと隣にいた村田がいない。
探してみると、他校の女の子に囲まれてる。
「あいつら、新しく入った男に
すぐちょっかい出すんだよな。どうする美桜」
心配する佐々木。
「大丈夫、ほっとこう」
近くにいると、彼女のフリしないといけないし。
…村田はへらへら笑っているし。
「美桜ちゃん、一緒に座ろう」
杏子が言う。
「うん。」
村田には悪いけど、生贄になってもらって
私は私で楽しもう、と思う美桜だった。
と思いながら、三脚を部室に運ぶ美桜。
吉岡はまだ帰っていなかった。
彼女とラブラブしてるのかな、と思いながら、
鍵を開けて部室に入る。
…ああ、私もラブラブな彼女だったんだ、と思い出して
少し疲れた気分になってしまう。
でも、彼女っぽいこと、結構したよね。
あとは普通にしてても大丈夫だろう、と
勝手に決めて、部室をあとに体育館へ戻った。
「ごめんね、手伝えなくて」
体育館の入り口で村田が言う。
シャワーを浴びたせいか、心なしか爽やかに見える。
「大丈夫だよ。もう片付け、いいの?」
荷物を全部持った村田を見て、美桜が言った。
「うん。大体終わったから、先に居酒屋行こう。
カメラは持っていくよ」
「ありがとう」
美桜は頷いて、自分の鞄を受け取る。
「美桜、疲れなかった?」
歩きながら村田は話し始める。
「少し疲れたけど、大丈夫。すごく楽しかった」
「そっか。良かった」
「村田は大丈夫?最後の試合、疲れてたけど」
「大丈夫だよ。もう回復した」
美桜のおかげで。
思い出して、にやけそうになる村田。
「写真どうしようかな。
スマホで見られるようにすればいいか。
どの写真をのせよう…
村田一緒に選んでくれる?」
「うん。明日やる?」
「そうだね。はやく見たいよね、みんな。
村田のパソコン借りていい?」
「いいよ。じゃ、明日うちで」
よし、明日も美桜に会える。
そうだ、花火の話もしよう。
「あ…、前の人たち、他校の人だよね」
前を歩くカップルを見て、美桜が言う。
「そうだね。多分、副キャプテンだと思う」
あの人のドリブル、すごく早かった。
そう思いながら見ていると、
二人が手をつないでいることに気づいた。
自分がつないでいるわけじゃないのに、どきどきする村田。
…いいなあ。
俺もつなぎたいなあ。
今、彼女のふりしてくれてるんだから、
美桜と手をつないでても、おかしくないんだよな。
さっき、手を握られたし、ハグもしたし、
…つないでみようかな。
村田は美桜の手をちらっと見る。
「打ち上げでも
彼女のふりしたほうがいいんだよね…」
美桜がつぶやいた。
ちょっと疲れた顔をしている。
「はい。すみません…」
よかった、手をつながないでおいて。
きっと思いっきり、振り払われたに違いない…
彼女のふりをしてくれるだけで満足しないとな。
打ち上げをする居酒屋の前で待っていると、
健吾たちがやってきた。
「村田と美桜は未成年だよな。
酒は一杯までな」
二人の顔を見るなり、言う。
「健吾、意外としっかりしてるんだ。」
感心する美桜。
「おう。親父にうるさく言われてる。問題起こすなって」
「健吾の親父、議員なんだよ」
佐々木が言う。
「えー…ものすごく意外」
「俺と付き合うと、金で苦労することはないぞ」
ドヤ顔で言う健吾。
「あー。見なおして損した」
美桜が笑いながら言う。
気づくと隣にいた村田がいない。
探してみると、他校の女の子に囲まれてる。
「あいつら、新しく入った男に
すぐちょっかい出すんだよな。どうする美桜」
心配する佐々木。
「大丈夫、ほっとこう」
近くにいると、彼女のフリしないといけないし。
…村田はへらへら笑っているし。
「美桜ちゃん、一緒に座ろう」
杏子が言う。
「うん。」
村田には悪いけど、生贄になってもらって
私は私で楽しもう、と思う美桜だった。