【詩】この花をいま、君に捧ぐ
【秋】

*金木犀

色の褪せてしまった記憶が
どこからかふと語りかける

それは曖昧で
たぐりよせる糸もなく
悪戯に胸を締め付ける

けれどどうだろう

その香りは何故か
いつだって新鮮で甘く
あまりにも愛おしい

それは過去のわたしから届く
一枚の手紙


さようなら

  と

ありがとう




いつかのあなた




どうかわたしよりも幸せであれ



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花言葉『初恋』

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